体を温めてくれる食材として、古くから重宝されている生姜。
日本では平安時代に空海が薬草風呂としての「生姜湯」を広めたのがルーツだと言われています。
現代では「生姜湯」といえばドリンクをイメージしますが、昔の人は生姜をお風呂に浮かべて全身を温めたんですね。
さて、そんな温活に嬉しい生姜ですが、摂取方法によっては、逆に体を冷やしてしまうこともあります。
正しい知識を持って、目的にあった取り入れ方をしましょう。
「生姜=体を温める」ではない!摂取方法で異なる生姜の効果
なんとなく健康に良いイメージのある生姜ですが、実は、生で摂取するか、加熱・乾燥して摂取するかによって、期待できる効果が違ってきます。
その理由は生姜が持つ2つの薬効成分、「ジンゲロール」と「ショウガオール」にあります。
生の生姜に含まれる「ジンゲロール」
「ジンゲロール」は、酢漬けやすりおろしなど、生の生姜に多く含まれている成分です。
主な効果としては、殺菌作用や鎮静作用、免疫力アップなどがあります。
風邪の際に飲む葛根湯に生姜が含まれていたり、お寿司に食中毒予防の目的でガリ(生姜の酢漬け)が添えられているのは、こうした効果を期待した代表的な例です。
そしてこのジンゲロールは、加熱・乾燥によって「ショウガオール」に変化する性質を持っています。
<ジンゲロールの主な効果>
- 免疫力向上(免疫細胞の活性化)
- 殺菌作用
- 鎮痛・解熱作用
- 消炎作用
- 体の末端の血管を拡張させることによる血流促進
- 発汗促進
発汗促進作用があり、手や足を温めることによって、余分な熱を体の末端から放出できることから夏バテ予防に効果的な成分としても知られています。
また、血流促進作用により、老廃物の排出やむくみ解消にも適しており、冷房で血行不良になりやすい夏場には積極的に取り入れたい成分です。
加熱・乾燥させた生姜に含まれる「ショウガオール」
「ショウガオール」は、生の生姜にはわずかしか含まれませんが、生姜を加熱・乾燥させることで「ジンゲロール」が「ショウガオール」に変化します。
胃腸を刺激して体を内側から温めることで、体全体をじんわりと深部から温める働きがあります。
生姜湯を飲むと、だんだんと体がポカポカしてきますが、それがショウガオールの作用です。
末端を温めるジンゲロールとは異なり、熱を放出させずに保つので、寒い冬や冷え性の改善に最適です。
体温上昇による代謝アップも期待できるので、ダイエット中の方にもおすすめです。
<ショウガオールの主な効果>
- コレステロール低下
- 血行促進
- 代謝アップによる脂肪燃焼効果
- 免疫力向上
- 抗酸化作用
- 胃液の分泌促進(消化吸収を助ける効果)
発汗促進には生の生姜を、冷え改善には加熱・乾燥させて
ここまで見てきたように、同じ生姜でも摂取の仕方によって異なる効果があります。
生の生姜にも、加熱・乾燥させた生姜にも、どちらにも体を温める効果はありますが、生の生姜は、一時的に末端を温めて発汗させることで、体にこもった熱を外に出したり、ほてった体を冷やそうとする作用があります。
一方、加熱・乾燥させた生姜は、胃腸を中心に、体内で熱を作り出すことで、時間をかけてじんわりと体を温めていく効果があります。
摂取する方法は期待したい効果に合わせて
体の温め方に違いがあるため、体を温めることでどんな効果を期待したいのかによって、生の状態を摂取するのか、加熱・乾燥させた状態で摂取するのか、取り入れ方を見極めることが大切です。
「冷え症改善のために摂取した生姜で、逆に体が冷えてしまった…」とならないように注意しましょう。
冷え症の改善には「生姜湯」がおすすめ!
冷え症の改善には加熱・乾燥させた生姜が適していることはお分かりいただけたかと思います。
とはいえ、一般家庭の料理では、生姜焼きで使ったり、すりおろしてお鍋に入れるぐらいで、出番が限られているのではないでしょうか。
そんなときにおすすめなのが「生姜湯」です。
冷え症を改善するには、毎日継続して体を温めることが大切なので、手軽に、そして飽きずに続けられる方法で生姜を取り入れましょう。
「金時生姜」はジンゲロール&ショウガオールが豊富
「温そわか」の原料である「金時生姜」は、一般的な生姜と比べ、ジンゲロールやショウガオールをとても多く含有しています。
体の芯からポカポカ温まるので、寒い冬のお出かけ前や就寝前のリラックスタイムに飲むことで、冷えない一日を送ることができますよ。